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スポットライト
グローバルで強い内部監査体制を構築するために
海外拠点の内部監査を効果的に行うための留意点

(株)プロティビティ ジャパン
米国公認会計士 公認内部監査人 公認不正検査士 粟野 友仁
米国公認会計士 公認内部監査人 内部統制評価指導士 渡辺 知子
「旬刊経理情報 2008年4月20日号 (通巻No.1180)」

<ポイント>

  1. グローバルに統一された内部監査方針の制定
  2. 十分かつ適切な人材の確保
  3. コミュニケーションの方法の確立
  4. 外部コンサルタントを「上手に」活用
  5. CSAなど代替的手法の導入
  6. 内部監査ツールを活用したレビューやモニタリングの実施

はじめに

内部監査は、「組織体の目標の達成」に役立つために、「リスク・マネジメント、コントロールおよび組織体のガバナンス・プロセスの有効性の評価、改善を、内部監査としての体系的手法と規律遵守の態度とをもって行う」(内部監査人協会による内部監査の定義)ことが期待されている。

企業活動のグローバル化に伴って海外の支店や現地法人等の海外拠点の内部監査・内部統制評価の必要性も高まっているが、海外拠点の規模やリスクに見合った十分な評価を実施しているといえる企業は多くないようである。

本稿では、海外拠点の内部監査や内部統制報告制度対応の留意点、さらにグローバルな内部監査体制構築に向けての留意点や成功要因について述べることとする。

海外拠点の内部監査実施の必要性

企業活動のグローバル化の流れの中で、生産拠点や販売拠点の拡充を海外に求めることはめずらしいことではなく、もはや海外拠点等を含めた連結経営の時代に入っている。現地の拠点を一から立ち上げるだけでなく、買収によって一気に傘下に収めるケースもある。グループ全体の経営効率化のためには海外拠点との文化や業務の融合を進めることが重要だが、決して簡単なことではない。

企業グループは、その経営形態により、主要な意思決定を日本の本社が行う「グローバル企業」とその権限を現地に大幅に委譲する「多国籍企業」とに分けることができるが、どちらの企業であっても、企業統治(コーポレート・ガバナンス)はグローバルに統一された方針に基づいて実施されることが求められている。コーポレートガバナンスの一環として、モニタリング機能を担っている内部監査においても同様に、グループ企業で統一された方針に基づいて体系的に実施されることが望ましい。

海外での不祥事が企業グループ全体に大きな影響を与えることがある。内部管理態勢の不備を露呈した大和銀行ニューヨーク支店の不祥事は、経営者に対する株主代表訴訟や米国における一切の業務からの撤退など、一担当者に対する処分にとどまらず企業全体に大きな影響を与えた。海外拠点であっても国内拠点並みの適切な内部管理態勢の構築が求められており、内部監査では国内拠点だけでなく海外拠点も範囲に含める必要がある。

また、2009年3月期から適用される内部統制報告制度(以下、「J-SOX」という)においては、評価の対象は国内拠点だけではない。全社的な内部統制については、原則として、海外を含めたすべての事業拠点について全社的な観点で評価することが求められている。さらに、重要な海外拠点であれば業務プロセスレベルの内部統制の評価対象となる。内部統制の評価は毎年継続して行われるものであり、内部監査によるモニタリング活動とあわせて効率的に実施されることが望ましい。

このような法制上の要請もあり、海外拠点に対する内部統制評価・内部監査体制構築は急務となってきている。

中央経済社から提供を受けた記事を原文のまま掲載しています。掲載されている記事の無断転用、転載は堅くお断り致します。

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